世界でもっともバーが多い街、それは東京、銀座ではないでしょうか。ロンドンやニューヨークを巡っても、シンガポールや香港、はたまたベルリンやモスクワに足を運んでも、これだけバーがひしめく街は知りません。あるメーカーの冊子によると銀座一丁目から八丁目までに多種多用なバーが350軒は営業しているとのこと。街を歩いても、すべての雑居ビルに「BAR」という看板が見られるような気分です。もちろん、数ばかりではない。銀座の歴史を、過ぎ去った昭和を閉じ込めたような歴史的一軒から、その卓越した創造性で世界から脚光を浴びるバーまで、そのコンテンツ力についても世界に誇ることができるバーの街として知られています。今回、そんな街から1つおススメのBARを紹介させてください。
文壇、画壇や演劇界の人々に古くから愛されてきた、老舗バー
1928年(昭和3年)、里見弴・泉鏡花・菊池寛・久米正雄ら多くの文豪の支援を受けて開店しました。そのため、永井荷風・直木三十五・武田麟太郎・川端康成・大佛次郎・林芙美子など文壇関係者、 藤島武二・藤田嗣治・有島生馬・安井曽太郎・岩田専太郎・東郷青児・岡本太郎など画壇関係者、 古川緑波・小山内薫・宇野重吉・滝沢修などの演劇界関係者らの著名な文化人たちが常連でした。
チャーリーチャップリンと、坂口安吾が愛した卵黄のカクテル、ゴールデンフィジーを。灰皿グラス、ランプ全てにプラスチックは無く全部がガラス。そして足乗せ台、イス、壁、机、全てが年季の入ったウッド。それら全てに歴史を感じます。壁には太宰治ら3名の写真もあり、由緒正しい昔からの雰囲気を大事にしているお店です。
「大人のモスコミュール」
「大人のモスコミュール」を呑みながら、その時の流れも一緒に味わいたい。ウィルキンソンの辛いジンジャーエールを使っています。他店では味わえない爽快感を味わえるんです。銀製のマグカップで提供されるこの品を飲みながらまるでタイムスリップしたような感覚を感じて欲しいです。
銀座のBARってお高いんじゃないの?
さて、このような素敵なバーなら、ぜひ一度行ってみたいが、さぞかしお高いって?どうでしょうか?おつまみで、一番高いのが「オイルサーディン・セット」で1155円。これは2人用であるから、安いと言えるんではないでしょうか。「チャージ(お通し付)お一人様840円を頂戴いたします」というだけなのですから良心的なお値段です。
京都若狭湾のオイルサーディンを使った「オイルサーディン・セット」は、2人分ほどのボリュームがあっておつまみに最適。カクテル2杯とこちらのおつまみをオーダーしても約4,500円ほどで、憧れの老舗バーデビューができます。
若いだけが取り柄のキャピキャピギャルとの時間ではなく、或いは、海千山千の熟女の手練手管に鼻の下を伸ばす時間でもなく、本当に上質な酒を酌み交わしながら、本当に知的な会話で楽しむ、そんな洗練された最高に贅沢な時間を過ごしたくはないですか?
お店情報
銀座・ルパン
住所:東京都中央区銀座5-5-11塚本不動産ビル地下
電話番号:03-3571-0750
営業時間:17:00~23:30(L.O.23:00)
定休日:日・月・祝
チャージ料:864円
※支払いは現金払いのみ